社畜自慢は気をつけて!ある日突然倒れない為の心のコントロール
 

いきなりですが、当時のぼくは、社畜でした。

「社畜って何?」という人のために説明しますと、「主にブラック企業にて、まるで家畜のように飼い馴らされて心身を削って仕事をしているサラリーマンのこと」を指す言葉です。

通常であれば、社畜になってしまう前に、転職活動をするなり退職をするなりして自分の身を守ろうとするのですが、時折、その社畜状態が心地よく、あげくには周りの人に「社畜自慢」をしてしまう人が出て来ます。
それもまた防衛本能の一種だと思いますが、ここでは実際に社畜になってしまったぼくが、それに甘んじていたことで大変なことになってしまった実話をもとに、今まさに「社畜つらー!オレがんばってるぅー!」というハイ状態のあなたへ、ある日突然倒れないための心のコントロール法と解決策をお話します。

【目を覚ませ】意識高い系×社畜の危険なマリアージュ

FacebookやTwitterといったSNSは、本来(※公式サイトに載ってる使用例のこと)、日常の出来事や楽しかったこと、嬉しかったこと…要するに「リア充アピール」をするのが定番の使い方ですが、「意識高い系」という言葉がトレンドなってきた最近では、「いかに自分は過酷で不幸か(それでも頑張るオレ!)」自慢も増えてきたように思います。

ネットでは「奴隷の鎖自慢」などと言われたりもしますが、やってる本人は至って真面目。
ぼくがそうだったので分かります。

元々、そんな気質になってしまう人というのは「他人からよく見られたい」「賞賛されたい」という、つまり「意識高い系」の願望が強く、「すごいことを達成して褒められる」のは他人と比較してとても無理なので、
「いかに自分は不幸か」「おまえたちリア充よりこんなに過酷な状況なんだ」
というのを(聞かれてもいないのに)アピールし、
「だからこんな状況でも頑張るオレって(すごいことを達成したアイツ並みに)すごくね?」
という論法に持っていこうとするのです。

自分を貶めて持ち上げる、ものすごく手間と労力がかかる方法です。コレの怖いところは、「社畜」という、本来であれば真っ先に回避すべき心身の一大事であるにも関わらず、自らそれに甘んじ、
「社畜で頑張ってるオレすげー」と自己陶酔してしまう点です。
痛覚が麻痺してしまうので、どんな苦難にもめげない・くじけない、鋼の精神を手に入れた気分になります。そうなってしまった社員はブラック企業にとっては非常に好都合な人材であり、
いずれ倒れるまで使い潰される運命が待っています。

【ほんとにあった怖い会社】過労死ラインは甘え。残業時間=がんばった時間。

0時を回った頃、意識高い系社畜を地で行っていたA先輩がこれ見よがしにレッド●ルを飲みながら叫びます。
「よーし、0時越えたぞ、これからが本番だー!」
ぼくを含めた、周りの社畜たちも同調します。

0時を超えてからが本番。むしろ、0時前に帰るのは「早退」。
定時(19時)に帰宅しようものなら、
「えっ、●●さん、体調悪いの?大丈夫?」と本気で心配される。

残業時間の長さは、すなわちその人の頑張り度だと、ぼくも周りも本気で信じていました。
当時のぼくの月末の残業時間の平均は200時間(タイムカードを押せない、土日出勤や帰宅後の業務も含む)。
むしろ200時間を下回っていた同期を「オレのほうが頑張ってる」と見下していました。
上司ですら、残業時間が125時間の後輩に向かって
「●●たちは200時間も頑張ってるのに、オマエは125時間ぽっちで申し訳ないと思わないのか!」
と説教する始末。

ちなみに残業代などありません。

「会社の電気と場所を使って"勉強をさせて頂いている"のだから、残業代はなくて当然」だと思っていたし、
そう教えられていました。
学生時代の友人たちが「オマエの会社、過労死ライン越えてるだろ」
と忠告してきても、聞く耳を持ちませんでした。
「過労死ラインなんていうのは、働かない役人が自分たち基準で定めてるだけだから、気にする必要はない」
というのがぼくたちの共通認識。

※ちなみにご存知ない方のために説明しますと、厚生労働省が定める時間外労働時間において、脳梗塞や心筋梗塞といったいわゆる「過労死」があった場合、発症前の1~6カ月間に時間外労働が1カ月あたり約45時間を超える場合は業務と発症との関連性が徐々に強まるとされており、更に発症前1カ月間に約100時間、または発症前2~6カ月間に1カ月あたり約80時間を超える時間外労働があった場合は「業務と発症との関連性が強い」という風に定められています。
簡単に言いますと、「一ヶ月の残業時間が80時間を超えるとマジヤバいぞ」ということです。

ぼくの話に戻りますが、ぼくの平均残業時間は200時間。
余裕で過労死ラインを飛び越えています。飛び越え過ぎて、既にラインが見えないレベルです。
そんな中でも、当時のぼくたちは「こんなに頑張ってるオレたちすげー!」と毎日とても元気でした。
帰宅は深夜4時、出勤は午前7時、土日など滅多になく、ネットカフェで財布を腹に隠して眠る日々を過ごしていても、「オレすげー!」という優越感でいっぱいでした。毎日2時間しか眠れなくても、不思議と眠くないのです。

ぼくはそのとき、既に不眠症という病を発症していました。

「あれ、おかしいな、歩けない」恐怖の鬱病、そして緊急入院

そんな生活を1年半続けていたある日、ぼくの体に異変が起きました。

久しぶりのフリーな土曜日、ぼくは使う暇がなくて貯まりまくった貯金を散財する勢いで遊びまくりました。
次の日曜日、会社とクライアントからのメールをチェックしなくちゃな〜と思い、デスクの上のPCに向かおうとしたところ、足がもつれて転びました。

あれ、おかしいぞ。歩けない。
というか、座っていることすら出来ない。心なしか視界もぐるぐる回る。
そのときになって初めて「ヤバいんじゃないか」と思い、ぼくは人生初の救急車を呼びました。

総合病院で診察を受けた結果、ぼくは「鬱病」と診断されました。
ついでに不眠症と軽い拒食症もあり、自分では全く意識していなかったのですが、体重は入社当時から10kgも落ちていました。

夜になっても眠くない。
お腹がすかない。
ランチも食べなくていいから仕事をぶっ続けで頑張れる!

自分がミュータントかスーパーマンになった気分で仕事をしていましたが、それが全て病気のせいだとわかり、
今後の社会人生命、どうなるんだろう…と初めて本気で危機感を覚えました。

精神病院の隔離棟に入院。3ヶ月後、退院したぼくを待っていたものは

「会社に恩返しができないなら死にたいです」とぼくは主治医に訴えました。
病気になってしまうなんて、入院しなければならないなんて、会社に迷惑がかかる。ぼくがいなくなったら、誰がぼくの分まで頑張るんだ!と、本気で思っていました。

今となっては、ぼくなんかが一人いなくても、会社の業務は普通に回っていくのだと分かっているのですが、当時は真剣でした。
ぼくに自殺の危険があるということで、ぼくは隔離棟に入院させられました。
エレベーターや階段の入り口には鉄の檻がついていて、職員の持つキーでしか開きません。窓には鉄格子。刃物類は当然のこと、携帯の充電ケーブルやベルト、紐状のモノも全て没収。
報せを聞いて、慌てて実家から飛んできた両親は「こんなにしてしまった会社を恨む」と言って泣きました。

そんな状態で、ぼくは最初の3週間、ベッドの上で寝たきりでした。
この一年半、取れなかった睡眠時間を取り戻すかのように、ひたすら眠りました。
食事は取れず、常に腕には高カロリーの点滴が刺さった状態です。今日が何曜日かもわかりません。
週に一度、日曜日にはラジオ体操の音楽がスピーカーから流れるので、それによって「ああ今日は日曜日だな」と分かりました。まるで、自分が人形になってしまったような感覚でした。

最初のうちは、自分がいないことで仕事がどうなったのか、進めていた案件はどうなったのか、不安で仕方ありませんでした。
しかし病院で過ごす時間が長くなるにつれ、「なんでぼくはあんなに長い時間仕事をしていたんだろう」と当時の生活を疑問に思うようになってきました。
考えてみたら、別の部署の「仕事が早い」と有名な先輩は、2時間程度の残業でさっさと帰ってしまっていたように思います。ぼくはそういった先輩の仕事の方法を見習うべきでした。
そんなことを思いながら、ぼくは3ヶ月、入院しました。

3ヶ月後、すっかり元気になったぼくは、退院後初めて出社する朝、また同期のみんなと会えると思ってワクワクしていました。
それと同時に、またあの長時間労働をやらなければならないのか…また病気が再発したらどうしよう、と不安でした。
オフィスのドアを開け、中に入ってみると、何だか3ヶ月前とレイアウトがおかしい気がします。
あれ?と思い、自分の机を探してみると、なんと、

ぼくの机がなくなっていました。

机の上の本棚の色で、たぶんこれがぼくの机だろうと思うものはあったのですが、
そこには既に別の、初めて顔を見る新入社員の方が座っていました。
会社のためと思って「社畜」を頑張ってきたぼくは、たった3ヶ月の間で「いらない人」になっていました。

【病気になってからでは遅い】自分の環境を客観視することが重要です。

・残業時間が80時間以上である→でも残業をしていると頑張っている気になれる。
・最近、夜に眠れない→でも眠れないとその分、仕事が捗ってハッピーだ。
・食べ物を食べたくない、食欲がない→食べないと食費が浮くし、痩せられてラッキー。

上記の3つの症状に当てはまった人は、要注意です。特に矢印の右側にも当てはまった人は、
もう「意識高い系社畜」になりかけているか、もう既になってしまっています。

ある日突然、糸が切れたように動けなくなるのが鬱病の怖いところです。
そうなってしまう前に、どうかあなたの置かれた状況を客観視してください。
自分の会社の環境の悪さは、同じ会社で働いている人同士だと気付きにくい部分もありますので、
可能なら、他の会社に勤める友達や、両親等にも意見を聞いてみるといいです。

そして「あなたの会社はおかしいよ」と言われたならば、
「でもそんな会社で頑張るオレってやっぱスゲー」とポジティブに解釈をせず、
自分が「社畜」となって心身をボロボロにしていっているという自覚を持って、
早めにそこから逃げ出すように準備を始めましょう。

重度の鬱病だと、入院期間も長引き、その分社会復帰が難しくなってしまいます。
さらに、極限まで自分を思い詰めてしまうと、最悪のケースもあり得ます。

【もう社畜にはなりたくない!】今後の心のコントロールと転職活動

逃げ出すために就職活動をしようにも、
「またブラック企業に当たってしまったらどうしよう…」
「今度の会社でダメだったら、次の会社を見つけるのは年齢的に厳しくなる…」
そう考えると、会社選びに臆病になりすぎてしまいますよね。

そんなあなたにまずやってほしいのが、
(1)周りの人に相談をすること
(2)自分の環境を客観視しして今の状況を把握すること
(3)自分の体の不調にもっと意識を向けて、健康に働くにはどのような条件ならば可能か考える
(4)(3)の条件+自分の外せない条件を考える
(5)悩んだり、考えたりするばかりでなく、ぱーっと遊ぶ時間も作る。
ということです。

無理をせず、自分のペースで少しずつ転職に向けて進めればいいのです。

僕の場合は上記5つを押さえたうえで、職業紹介サイトに登録・相談してみました。
僕が利用したのは「お祝い紹介.com転職支援サービス」という職業紹介サイトで
転職の専門のスタッフが、登録した人の履歴書や希望職種をもとに、その人にピッタリの仕事を紹介してくれるというシステムです。

半信半疑なまま、でも自分で就活するよりは楽かも…と思って登録してみたら、すぐに面談の連絡があってびっくりしました。
担当者の方に履歴書を送り、希望の仕事を打ち合わせし、ぼくが
「病気の経験があるので、なるべく残業がない会社がいいんですけど、
 ぼくの希望する業界では、難しいですよね…」と言うと、
「そんなことはないですよ!」と答えてくれました。

それから何社か仕事を紹介してもらい、スタッフの方がぼくの強みや経験を代わりに企業に売り込んでくれたおかげで、ぼくは新しい職場を見つけることが出来ました。
普通に既卒で就活をしていたなら、まず候補にも上がらなかっただろうなという、全国的に名前のある大企業です。
前職のブラックベンチャー企業と違い、福利厚生もしっかりしているので、残業も少ないし残業代もしっかり付き、土日もちゃんと休むことが出来ます。前の会社では取得すらできなかった有休も使うことが出来ています。
さらに嬉しかったのは、その会社で勤務をはじめてから数ヶ月後、「入社お祝い金」として、紹介サイトの会社から10万円を頂いたことです。

「お祝い紹介.com転職支援サービス」は運よく親身になってくれるサイトでしたが
全部の職業紹介サイトがそうとは限りません。
登録して全く音沙汰無し、又はメルマガのような情報配信メールが沢山来すぎて逆に見きれない、など
せっかくの踏み出した一歩を無駄にしかねません。
口コミなどよく吟味して登録する必要があるでしょう。
もし、たくさんあって分からない、忙しくて紹介サイトまで探してる時間はない、という方は
ぼくのオススメの「お祝い紹介.com転職支援サービス」のリンクが下にありますのでチェックしてみてください♪

あなたが体と心の健康を早く取り戻して生き生きと生活出来るよう、僕の経験が少しでもお役に立てたら幸いです。
社畜を抜け出して、自分の為の人生を歩みましょう!

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